NPO法人魁文舎―宮古ダンサー派遣「身体と心のケア」ワークショップ2

(NPO法人魁文舎の花光潤子さんからレポートをいただきましたので、ご本人の承諾を得て掲載させていただきます。)



 6月8日〜10日まで、2回目となる宮古でのダンサー派遣の「身体のワークショップ」を実施してきました。この活動は、JCDNとの協働によるもので、ブルームバーグ社のスポンサーから旅費・滞在費をいただき実現しました。今回は、1:つどいの広場すくすくランド(未就学児とお母さんを対象)、2:金浜老人福祉センター避難所(高齢者と身障者)、3:藤原学童の家(小学生1〜4年)、4:津軽石中学校避難所(高齢者)、5:宮古市民総合体育館シーアリーナ避難所 (一般、高齢者)の計5箇所。90名弱が参加しました。
 ダンサーは京都のダンスカンパニー、セレノグラフィカの隅地茉歩さんと阿比留修一さんのお二人。コーデネーターは花光、アシスタント兼運転手に魁文舎の松本千鶴、記録にたきしまひろよしさんが同行しました。また10日に実施したシーアリーナには、野田村に入っていたJCDNの神前沙織さん、ダンサーの佐藤美紀さんに合流してもらいアシストをお願いしました。
今回は刻々と避難所の様相が変化していく中、何度も所長さんと連絡を取り合って出かけましたが、それでも当日ど うなっているか、行ってみなければわからない状況でした。求められるのは臨機応変、でも臨機応変が一番難しい。それなりの経験知がなければできない技です。
 セレノグラフィカのそれぞれの対象に合わせたプログラムは見事に皆の心を捕らえました。幼児向けにクマとおサルの着ぐるみを着てお相撲を取ってもらったり、金浜では避難所の高齢者とデイケ アセンターの身体の不自由な方々、スタッフや所長さんなど全員が参加して、細胞を体内から活性化させるような動きでうっすら汗をかき、学童の家では元気一杯の小学生とダンスで遊び、夕食後に訪れた津軽石避難所では 、ゆったりと就寝できるリラクゼーションと、何でもござれのセレノの引き出しの多さと対応力に脱帽でした。
 最初は「俺には関係ねえ」と露骨に寝そべっていた強面のおっさんも、最後には一緒になって柔軟して、別れ際には名残惜しそうに隅地さんにさよならを言っていました。シーアリーナでは、座って前屈するおばあちゃんをすっぽり後ろから抱きしめるようにアシストする阿比留さんの姿が印象的でした。息子のようでした。「もうじき仮設に移れるね、もう少しの辛抱だね。」
 仮設に入居しても2年後には出なくてはならない。でも今、少しずつでも小さくても希望の灯があることは嬉しいことです。

 この1ヶ月間に3度宮古に通いました。瓦礫は行く度に取り除かれています。商店街では、皆の後押しを受け居酒屋や名物いかせんべいの店などが再開し始めました。6月末にはほとんどの避難所が閉鎖され仮設に移る予定です。現在は、仮設への引越しや統合で、避難所も落ち着かない状態です。公園や空き地は全て建設予定地です。県の指定で、50世帯以上の仮設には集会所を設置することになっており、宮古の60箇所ある建設地の半数は、集会所が建つ予定です。しかし、これまでほとんどの避難所の運営や所長は行政の職員が担当してきました。高齢者の多い仮設では自治会長のなり手がいないなど、新しい共同体がどう形成されていくのか、課題はこれからです。
 残念ながら、7月に行う黒森神楽の例大祭は中止となりました。神楽衆はやる気満々で私たちも応援に駆けつけようと思っていましたが、ほとんどの祭りが今年は取り止めになりそうだとのことで非常に残念です。社協も仮設の現状が摑めていないので、これからの支援をどう展開していくのか今後の方針は伺えませんでした。
 皆懸命にがんばろうとしていますが、気になるのは希望を持てずに殻を閉ざしている若い人たちです。仕事も無く、閑散とした午後の避難所に取り残されています。地元で継続的な支援活動している団体との連携を組みたいと探していましたが、見当たりません。これから先どんな支援が必要とされ可能なのか、考えたいと思っています。

花光潤子(NPO法人 魁文舎)
報告日:2011年6月20日

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