ドキュメンタリー映画『なみのこえ』の記録製作に対する支援

活動支援|016
アーティスト|濱口竜介+酒井耕
活動拠点|宮城県仙台市


内容
『ドキュメンタリー映画『なみのこえ』』
ドキュメンタリー『なみのこえ』は、津波被害を受けた被災者へのインタビューです。
三陸海岸は、これまでにも30年から50年の周期で津波の被害を受けていて、その度に「復興」し、そこに住み続けている人たちがいます。
根本的な問いとして、「なぜそこに住み続けるのか」という素朴が疑問がありました。
この状況で映像に何ができるのかを考えていた矢先でもありましたし、その疑問を主旨にインタビュー映像を記録することにしました。
津波の被害を伝えるために、伝承や碑文などが残ってきましたし、いつか来る津波に備えて避難訓練も行われていたそうです。
しかし、いつしか記憶は失われ、訓練もルーティン化し、実感はそれほどなかったと思います。
そこに住み続けるということは、これからそこに住む人に伝えなければならないことがあると思います。
この映画をみたときに、こういう人たちが実際に住んでいて、そこで津波の被害を受け、これまでの生活が奪われたということを記憶に留めてもらいたいし、実感をもてるものにしたいと考えています。
記録であると同時に、見られるということを想定しています。
映画として完成させることで、100年後にも実感をもって見てもらえるようにしたいと思っています。
さらに、この映像は、せんだいメディアテークの「3がつ11にちをわすれないためにセンター」にアーカイブすることを目的ともしており、提供されているさまざまな映像とともにアーカイブされることで、この映像の意図が多角的に見えてくることを願っています。


経緯・概要
せんだいメディアテークに「3がつ11にちをわすれないためにセンター(通称「わすれん」)」が立ち上がった際、東京藝術大学大学院映像研究科が協力を申し出たことから、同研究科に所属していたわたしたちが被災地に入ることになりました。
被災地の映像を記録して、「わすれん」に提供することが目的です。
そこで、映画の手法をもちいてインタビューを撮ることにしました。
その映像は、ドキュメンタリー映画『なみのおと』として発表されています。
はじめ問題意識として捉えていた「なぜそこに住み続けるのか」という疑問は、インタビューを通して、人と人とのつながり、人と土地とのつながり、そして、土地のもっている歴史とのつながりとなって見えてきました。これは、いいとかわるいという価値判断ではなく、事実としてそこにあり続けてるということだと思います。
手法としては、わたしたちがインタビュアーになるのではなく、親しい人同士、たとえば夫婦で向き合って話しをしてもらうようにしました。
映画やドラマでつかわれるフィクションの手法を用いた映像の作り方もしています。

いま撮影をしている『なみのこえ』は、『なみのおと』の続編的な映画です。
前作では、6組11名ほどの方にインタビューをおこないました。
はじめて被災地に赴いたとき、被災の地域が、広域だったということに愕然としました。それで、その広さを実感したいこともあって、青森から福島までの湾岸線が浮かび上がるように、いくつかの地域に絞って映像を記録しました。
それだけでは十分とは思えなかったので、さらにインタビューを続けてみたいと思い、続編として『なみのこえ』を撮影しています。
今回は、福島県新地町と宮城県気仙沼市に地域を絞り、そこに住む6・7組20名ほどの方にお話しを伺いたいと思っています。

参考:映画『なみのおと』
日本/2011年/日本語/カラー/142分/監督:濱口竜介・酒井耕/撮影:北川喜雄/整音:黄永昌/製作者:堀越謙三・藤幡正樹/製作:東京藝術大学大学院映像研究科/製作助成:芳泉文化財団/制作協力:せんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」/配給:東京藝術大学大学院映像研究科
映画『なみのおと』ブログ:http://nami-no-koe.tumblr.com/


スケジュール
ドキュメンタリー映画『なみのこえ』製作
撮影:2011年11月~2012年3月
編集・フィードバック:2012年3月~同年9月頃
その後、上映会を予定


希望支援額
現地での滞在費 2万×6ヶ月=12万円
取材等に係る交通費 月額6万円×6ヶ月=36万円
取材に係る経費 月1万×6ヶ月=6万円
合計=54万円